今回は少し詳しく車いすの種類を見ていきたいと思います。
ざっくり先に種類を言っておくと
標準タイプ
多機能タイプ
モジュールタイプ
ティルト・リクライニングタイプ
六輪タイプ
電動タイプ
このくらいあります。
1つずつ詳しく見てきましょう。

まず標準タイプとは一般的によく見る車いすで、
特に特別な機能はないタイプになります。
標準タイプやスタンダードタイプと呼ばれ、座位は保てるが立位が保ちにくい、杖、歩行器等使用では難しい距離の移動の場合などにご使用できます。
自分で手や足で操作して移動する、または介助者様に押していただくご利用方法になります。

では多機能タイプとは?
多機能タイプは標準タイプに比べて各箇所の機能が増えています。
肘跳ね上げ。スイングアウト・イン。アームサポート高さ調整などが一般的に追加される機能となります。
肘跳ね上げとは、アームサポート部分が座面横の部分から上に上がります。
例えば標準タイプの車いすで考えてみましょう。
ベッドから車いすに移乗したいと思った際に、ご利用者様は
①ベッドから立ち上がる→②車いす前方に移動する→③座る→④車いすで移動する
といった動作になりますよね。
では立位が取れない方はどうでしょう?
もはや①の時点で一苦労です。
そこで活用できるのが肘跳ね上げになります。跳ね上げておくことでベッドと車いすの間に障害物がなくなるため車いす前方へ出る必要性が無くなり、お尻を浮かすことができればほとんど立位をとるのこと無く車いすへ移乗することが可能です。場合によっては浮かすこと無くスライドしていって移乗することも可能です。
また、スイングアウト・スイングインと言ってフットサポートも脱着や横に角度を変えておくことができますのでより移乗の際の障害物を減らすことができます!
アームサポート高の調整。車いすにクッションを併用いた際に座面が高くなります。
そうなった場合肘掛けの高さが変わってきます。座面を高くすることで肘掛けは下がってしまいますよね。すると腕の支持面がなくなってしまい、座位が崩れてしまう原因となります。左右に傾いてしまう、またズッコケ座りになってしまう。
そういった場合に肘掛けの高さを上げることが可能です。
モジュールタイプ
モジュールタイプとは
1つの車いすで何段階かのサイズを変更できる車いすの事です。
その利用者様の体形に合わせて座面の高さであったり幅などを調整し、合わせてあげることが可能です。
車いすを持って行ったはいいモノの、厚着をしておられててもう少し座幅が広かったら・・・や、座面がもう少し低かったら足で移動が可能じゃないか?
などちょっとした調整が現場でも可能になります。
調整方法さえ分かっていれば少しサイズが合わなくて、再度日程調整して再訪問するなんてこともなくなるかもしれません。
完全にご利用者様の体型・状態に合わせようと思えばフルオーダーなどになりますが、ある程度であれば比較的安価でご利用していただくことが可能です。
ティルト・リクライニングタイプ

標準車などでは座位姿勢を保つことが難しい方などにご利用いただきます。
ティルト・リクライニング車いすは、頭部を支える枕がついており背もたれが倒れて角度を変えるリクライニング機能や背もたれと座面が連動して角度調整をおこなうティルト機能が付いた車いすとなります。
障害などで通常の座位姿勢が長時間取れないけれども、横になった姿勢でなら座位を取ることができる方、首の筋力低下により頭部を支える必要性がある方などはリクライニング機能を使用します。
また自身で動くことが難しい中で車いすでの生活が多いけれれば姿勢も変えてあげなければなりません。座面も一緒に傾けることでお尻や太ももにかかる圧を腰や背中に分散させることができ、床ずれ予防にもなりますし座面に角度がついている事で休息姿勢もズッコケ座りになることはありません。
また機種によれば完全なフラット状態にすることも可能です。
リクライニング式は座位姿勢が取れれば日常生活動作ができるものの横になっていなければならない方。ティルト式は自身で体制を変えることが難しい方といった使い分けとなることが多いです。
機種によって片方・両方の機能を使える車いすがあります。
六輪タイプ

今までご紹介していた車いすはほとんどがタイヤの四つのものですが、中には駆動輪(後輪)の前後に小さいタイヤがついており、全部合わせて六個のタイヤがついている機種になります。
前のタイヤは通常の機種でもついておりますが何故後ろにもついているのでしょうか?
それは駆動輪の位置に関係してきます。
通常であれば背パイプの下側に駆動輪の中心がきているのがほとんどに対して、六輪タイプは車いすの中心に駆動輪があります。ということは後ろに支えるものが無いので転倒するリスクが高いということです。
リスクが高いのに何故真ん中にあるのか、
そこが六輪タイプの特徴【旋回性】が関係してきます。
軸となるタイヤが前方タイヤと近ければ近いほど旋回する半径は小さくなります。
コンパスを想像してみてください。大きく開いた状態と小さく開いた状態では円の大きさが変わりますよね?
つまり軸となる駆動輪をなるべく本体の真ん中にすることで小さく回る・その場で回るという事を出来るようにしてあります。
狭い廊下などは特に旋回が大きいと曲がりにくいですよね。
さらに座面を低くすることで足漕ぎをしやすくしているのもポイントです。
自走タイプなら手と足で。介助タイプなら足漕ぎ移動ができれば介助タイプといえどご自身で移動ができ、全体幅も小さくできます。
ざっと各種の紹介をさせていただきました!
まだアシスト付きだった電動だったり、リクライニングでもご利用者様自身で可動が可能だったり色んな機種があります!ぜひ調べてみてくださいね。
ではまた次回(^^)/
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